電気おじさん

うちの研究所には不思議なおじさんたちがいる。
おそろいの作業着を着て建物から出たり入ったり、あるいは周りをぐるぐる回ったりしている。


以前トイレがつまったとき、事務に相談に行くと「じゃ○○かな」といってそのおじさん達が呼んでくれた。その○○はよくきこえなかった。


その後も「電気の…、やっぱり忘れた」とか「特に何かを売ってるわけじゃなく便利屋みたいなものかな」とか、そのおじさんたちについては歯切れの悪い、それだけに気になる言葉を耳にしてきた。

一体何なのか。


そのおじさんの一人と最近話すようになった。というよりトイレの一件から親しく話しかけてくれるようになったのだ。しかし、彼が誰なのかという根本的な疑問は解決しないままである。


ところで、「電気のおじさん」と書くといい人そうだが、「電気おじさん」と書くととたんに怪しい感じに満ちあふれてしまうというのは一体どういうことだろう。